モンテッソーリ教育の精神を知っていますか?
今回ご紹介するのは、マリア・モンテッソーリ博士が子育て中の父親や母親に向けて、分かりやすい言葉でモンテッソーリ教育のエッセンスを伝えてくれる本です。
『パパ、ママ、あのね・・子育てのヒントは子どもが教えてくれる』マリア・モンテッソーリ 著
この本では『なんちゃってモンテッソーリ』ではなく、モンテッソーリ教育の基礎となるマインドがとても凝縮されているので、『正しいおうちモンテッソーリ』を理解できます。
『おうちモンテ』を始める前にぜひ読んで欲しい本です。
行間が広めなので、文字があまり密集しておらず、写真が時々、間に挿しこまれているので、非常に読みやすいです。
割とすぐに読み終えることができますよ。
博士が目指したモンテッソーリ教育の方向性がとても丁寧にまとまっていて、読みやすく、刺さる内容でした。
知育しようとしている親に向けての心がけであったり、子どもへの接し方、声かけの仕方など、知育迷子になってる方にもおすすめです。
モンテッソーリ教育の魂に触れられます。
裕福な子どもは、多くの場合、大人が面白いだろうと想像したやり方で遊びます。ですから、段ボール一杯のたくさんの玩具を持っている子どもは、飽きていたずらをし、一方、放っておかれる子どもは、シンプルなことに喜びを見出し、自分で見つけた仕事に何時間も楽しく没頭できるのです。
引用元:パパ、ママ、あのね・・子育てのヒントは子どもが教えてくれる
例えば、多くの大人が勘違いしている部分について。私も結構このことを強調して皆さんにお伝えしているのですが…。
大人が考える面白いを押し付けるのではやく、もっと子どもたちの欲求はシンプルであって、モンテッソーリ教育における『環境を整える』ということの本当の意味を解説してくれています。
とても秀逸な例え話もあったり…
もし、愚かなカエルの母親が池で自分の小さなオタマジャクシに言ったとします。
「水から出ておいで、新鮮な空気を吸って、若草の上で楽しんでごらん。そうすれば強くて健康な小さなカエルになれるよ。さあ、おいで。お母さんは何でも知っているんだから!」小さなオタマジャクシは従い、それはもちろんオタマジャクシの人生の終わりを意味していました。残念ながらこれが私たちの多くがやっている子育てのやり方です。私たちは、子どもたちが賢く、良い性格で、礼儀正しい人の役に立つ市民に育ってほしいと強く願っています。ですから多くの時間と忍耐力を、子どもを訂正し、これをしなさい、あれダメと注意することに費やします。(中略)私たちが型にはめようとしているこの幼い生命の知性や人格を発せさせるのに、強制や圧迫、訂正や間違い探しは必要ありません。時が満ちれば、オマジャクシがカエルに成長するように、自然は子どもたちの成長の後押しをしてくています。
引用元:パパ、ママ、あのね・・子育てのヒントは子どもが教えてくれる
大人は既にいろんな経験をして子どもたちよりも「物知り」のつもりでいます。
そして、子どもたちに「あなたは何も知らないから私がこの世界のことを教えてあげるよ」と、生まれてきたこの世界のことをまだ学んでいる途中である子どもたちに、あーだこーだと大人の世界の価値観や理屈を押し付けがちです。
子どもたちが必要性を感じていないことを、その時点で押し込んだところで、それは単なる詰め込み学習です。
環境の中から子どもたちは自然と身につけていくことであり、大人が干渉し過ぎる必要はありません。
時が来ればオタマジャクシはカエルになる。
時が来れば子どもは大人になる…
オタマジャクシの人生の終わり…
贅沢をつくした子ども部屋で、大量の玩具と、絶え間ない管理による邪魔と煩わしさに囲まれている子どもは、まるで水を与え過ぎた苗木のようで-土壌は酸性化し、植物は病気になってしまいます。
引用元:パパ、ママ、あのね・・子育てのヒントは子どもが教えてくれる
まさに現代ではこういう知育が流行ってるのではないかなと思います。
教具やおもちゃが大切なのではなく、子どもたち自身が感じ取る気持ちや経験が大切なのです。
貧困による栄養不良な健康状態の悪い子どもであっても、自分のやりたいことをただやらせてもらえる、という幸福感によって健康が改善したというような話も本の中では紹介されています。
それほど、子どもが子ども自身で選んだ活動を自分でやり遂げるということは大切なステップなんだという、モンテッソーリ精神がいかに子どもたちを幸せにする教育法なのかが伝わってくる内容です。
この本を読むことで大人の関わり方を改めようという気持ちが生まれると思います。
とても重要なマインドが凝縮されているので、モンテッソーリ教育というものに興味がある人はぜひ一度読んでみてください!
やはり、家庭でやるおうちモンテッソーリというのは、養育者であるパパママ両方がモンテッソーリ教育について最低限の理解をしておかないと上手く回りません。
両方の親が同じ接し方をしないと効果が薄れます。
自分は割と本気で勉強しているけど、相方があまりこういうのに興味がない…というご家庭では、せめて、この本だけでも読んで欲しいですね。