モンテッソーリ教育では、子どもの発達を観察し、それに基づいて特定の年齢区分に分けられています。
それぞれの区分には、成長段階に応じた環境や活動が用意されていますが、モンテッソーリ教育が盛んな海外の情報を探そうとすると、この年齢区分の呼び方に慣れなければなりません。
日本での呼び方に慣れている人にとっては馴染みがなく、この言葉単体を聞くと、どの年齢のことを指しているかわかりませんよね。
海外情報に興味を持つ方のために、モンテッソーリ教育での年齢区分の呼び方とその概要を紹介します。
0〜6歳:乳幼児期
ニド(Nido)
対象年齢: 生後2ヶ月〜歩行が安定する頃(約1歳前後)
新生児や乳児のための環境。
視覚、聴覚、触覚など感覚発達を促進する教具(モビール、ラトルなど)が使われる。
自然素材の家具や安全な動きの空間が整備されています。
インファント・コミュニティ(Infant Community)
対象年齢: 歩行が安定した後(1歳前後)〜3歳
自立をサポートする環境(低い棚や日常生活の教具)。
言語発達や社会的スキルの基礎を築きます。
日常生活の練習(お皿を洗う、植物に水をやるなど)を重視。
ICと省略されて呼ばれていることもあります。
インファンツ&トドラー (Infants & Toddlers)
0歳〜3歳の幅広い年齢層を指す言葉。
インファンツ (Infants): 主に0歳〜1歳半(歩く前の乳児期)
トドラー (Toddlers): 主に1歳半〜3歳(歩き始めてからの幼児期)
「インファントコミュニティ」は特定の教育環境を指し、「インファンツ&トドラー」は0歳から3歳までの乳幼児を包括的に指す言葉です。
そのため、両者は似ていますが、同じ意味ではありません。
チルドレン・ハウス(Children’s House)
対象年齢: 3歳〜6歳
日本では「子どもの家」と呼ばれる場所に通う年齢ですね。
感覚教育、言語教育、数学、文化活動を通して包括的な学びを提供。
子どもの興味や選択を尊重しながら、自立性を育みます。
Casa dei Bambini(カサ・デイ・バンビーニ)
イタリア語で「子どもの家」という意味。
マリア・モンテッソーリが初めて設立した幼児教育施設の名称。
多くの国では、このオリジナルの名前が今でも使用されています。
Montessori Preschool(モンテッソーリ・プリスクール)
特に英語圏で、3~6歳の子どもが通う施設を指す一般的な呼び方。
「プリスクール」は、正式な学校教育が始まる前の幼児教育期間を指します。
Montessori Kindergarten(モンテッソーリ・キンダーガーテン)
特に5~6歳の年長児を対象とした学年(キンダーガーテン)を含む場合に使用されることがあります。
一部の国では「Kindergarten」が3~6歳全体を含む場合もあります。
Early Childhood Classroom(アーリー・チャイルドフッド・クラスルーム)
教育機関が公式名称として使うことがある表現。
幼児期(3~6歳)を指します。
Prepared Environment(準備された環境)
モンテッソーリ教育の哲学を重視する場合、学習環境そのものを強調してこのように呼ばれることがあります。
海外は3〜6歳までの呼び方が非常に幅広いです!
6〜12歳:学童期
エレメンタリー(Elementary)
対象年齢: 6歳〜12歳
知的好奇心を深めるカリキュラム(宇宙教育、歴史、科学、芸術など)。
社会性や道徳観念の発達に重点を置きます。
「コズミック・エデュケーション」「コスミック教育」と呼ばれる宇宙的視点を導入し、全体と部分の関係性を理解する学びを提供。
12〜18歳:思春期
エルディノ(Erdkinder)
対象年齢: 12歳〜18歳
社会的責任や経済的自立を学ぶための「農場学校」形式が導入されます。
実社会での経験を積む環境を重視。
思春期の精神的・感情的発達をサポートする活動を提供。
おわりに
いかがだったでしょうか?
海外でモンテッソーリ情報を探す場合は、こちらの呼び方を知っていると分かりやすいです。
ぜひ、参考にしてください。