モンテッソーリ教育を実践している中で、英語の学び方に悩んでいる親御さんも多いのではないでしょうか?
モンテッソーリ教育の哲学に基づく英語の教え方には、独自の方法があります。
このブログでは、子どもに英語を効果的に教えるためのヒントをお伝えします。
- モンテッソーリ教育を実践しているが英語教育をどう進めたら良いかわからない方
- 子どもにおうち英語を楽しく学ばせたいと思っている親
- 英語学習をモンテッソーリ教育の理念に基づいて進めたい方
- 英語教育の効果的な方法や教材を探している親や教師
まな
知育講師 / 国際モンテ資格有
・幼児教室指導員
・おもちゃコンサルタント
・ベビー知育インストラクター
・キッズ知育インストラクター
・知育玩具アドバイザー
・育脳式積み木インストラクター
・食生活指導士
・乳幼児食指導士 etc.
子どもの発達について日々知識をアップデートしている1児の母。モンテッソーリ教育法研究中&保育士資格の勉強中。
モンテッソーリ教育で英語を学ぶことのメリット
モンテッソーリ教育理論を適用した英語学習では
- 自発的学習の促進
- 自然な言語習得の流れ
- 系統立てられた英語学習のステップで理解しやすい
というメリットがあります。
自発的学習の促進が可能
モンテッソーリ教育の「自分で学ぶ」というアプローチは英語学習をする上でもっとも大切です。
本人の意思から始める英語と親にやらされる英語では、英語の習熟度に違いが出て来ます。
モンテッソーリ教育の言語学習は、そもそも『言語』とは何のために使うものなのか?という意識の部分をまず大切にします。
言語とは『人とコミュニケーションを取るため』の手段です。
言語を使うこと自体が目的なのではなく、人との対話が目的であること。この部分が重要なのです。
実際に、子どもたちは、父や母と対話をしたい、友だちと先生と対話したいという想いから、日常会話をできるレベルに母国語を自然と習得していきますよね。
これは、コミュニケーションしたい!という強い想いと言語の必要性を感じるからこそ、実現しているものです。
このとき、母国語(話し言葉)を学ぶことに対して、彼らは苦痛を感じながら学習しているように見えるでしょうか?
言語を学ぶ時には、この自発性が何より大切ですが、モンテッソーリ教育では、この気持ち作りをできるような環境作りを徹底します。
自然な言語習得の流れ
モンテッソーリの言語教育では、英語を自然に習得するための環境作りが大切にされます。
環境作りをすることにより、自発的な学習を促すのが特徴の教育法です。
日常的な英語使用の生活環境下にいる乳幼児期の子どもであれば、話し言葉の習得は難なくするものとして考えられています。
系統立てられた英語学習のステップで理解しやすい
モンテッソーリ教育に基づいた、英語学習の進め方(語彙の増加、発音練習、文法の理解など)は言語学的にも発達の流れに沿ったサポートをするものです。
系統立てられたスモールステップの積み重ねにより、子どもにとって、とても親切な方法で言語を身につけていくことができます。
乳幼児期は、具体物を使った感覚的な探究を好みます。
そのため、言語学習においても、具体物を用いた方法が学習の吸収率を高めます。
児童期に入ると、具体物が必要な時期から想像の時期に変わる(子どもの性質が変わる)ため、そこから言語教育をスタートする場合では子どもに合う方法が変わります。
モンテッソーリ教育における第二言語学習の考え方
モンテッソーリ教育では母国語が優先という考えが根本にありますが、複数の言語を学ぶことに否定的ではありません。
特に、乳幼児期においては、むしろ、いくつでも言語を習得することが容易である特別な時期だと考えられています。
乳幼児期が持つ特徴である『吸収する精神』がそれを可能とします。
ただし、モンテッソーリ式の言語学習を成功させるには、一般的な固定観念を捨て去り、言語学習の方法を考え直す必要があります。
言語学習の方法が一般的に考えられているような方法とは異なることへの理解が必要であり、親がそれを受け入れなければなりません。
実際のモンテッソーリ教育の現場では、複数言語の教育をする場合、言語教育のための教具も複数言語分用意されます。
ステップは母国語とほぼ同じですが、それぞれの言語により、音韻や文字、文法的構造など特徴が異なるため、正しく子どもに伝えるためには、提示する側(大人)の言語理解もある程度必要です。
モンテッソーリ教育を活用した乳幼児期の英語学習法
モンテッソーリ教育では、触れる、見る、聞くという五感の感覚を通して学ぶ感覚的なアプローチが重視されます。
話し言葉を習得するためには、聴覚により、音の微妙な違いがわかるようにならなければなりません。
そのために、言語学習以外にも聴覚を研ぎ澄ます活動を取り入れます。(音の違いを意識できる活動)
文字を書くためには、文字の形を見分ける視覚、手の動かし方の調整、視覚と手の協応性を高めるなど、さまざまな感覚的準備が必要です。
言語学習に入る前に、モンテッソーリ教育では五感の感覚を研ぎ澄ます活動を多く行うのは、言語学習や数学的学習など発展的な知性活動の準備をするためでもあります。
乳幼児期は感覚的な探究をおこなう欲求が最も強い時期であるため、感覚的なアプローチ法による学習スタイルが基本となります。
モンテッソーリ教育における言語教育の考え方
モンテッソーリ教育における言語教育は、子どもの発達段階に応じて段階的に進められます。
1. 語彙の拡充
ステップ
子どもが周囲の物や概念に対する語彙を増やすことを目的とします。具体的な物の名前や日常生活で使われる言葉を学びます。
教具
絵カードや実物のミニチュア模型などを使用し、視覚的に言葉と対象物を結びつけます。手を実際に使って動かすことにより、身につけます。
2. 音韻意識の発達
ステップ
言葉の音やリズムに気づき、音韻意識を高めます。これは読み書きの基礎となります。
教具
サウンドゲームやリズム活動を通じて、音の識別能力を養います。
3. 書字の導入
ステップ
手や指の運動能力を高め、文字を書く準備をします。これは「日常生活の練習」や「感覚教育」で培った運動能力を活用します。
教具
砂文字板(Sandpaper Letters)を使い、文字の形を指でなぞることで、触覚と視覚を連動させて文字の形状を学びます。
4. 読みの導入
ステップ
文字と音の関連性を理解し、単語や簡単な文章を読む力を養います。
教具
ムーブブルアルファベット(Moveable Alphabet)を使用し、子どもが自分で単語を構成し、読む練習を行います。
5. 文法の理解
ステップ
基本的な文法の概念を学び、言語構造への理解を深めます。
教具
文法記号(Grammar Symbols)を用いて、品詞や文の構造を視覚的に学びます。
これらのステップと教具は、子どもの自然な発達と興味に合わせて柔軟に進められます。
モンテッソーリ式英語教育を助ける学習教材
文字の形を認識する練習
言葉を覚える順序は、話し言葉→書き言葉→読み言葉なので、この順序を意識します。
書き言葉は、いきなり書くことから練習したりはしません。
まず、文字の形を正しく認識できている必要があります。そのためには、まず、同じ形のものを同じだと認識できなければなりません。
そこで、絵合わせや文字合わせといった活動を書く活動の前におこなっておきます。
文字を書く練習
サンドペーパーレター、砂文字は、手で直接なぞり文字をするための教材です。ペンを持つ前に、ざらざらな文字をなぞる練習をすることで身体の感覚が文字の形を覚えます。
ザラザラな部分とツルツルの部分の違いで、文字から指がはみ出ると分かるので、自分で指先の感覚を頼りにしながらザラザラな上をなぞる練習を繰り返せます。
この方法を用いる場合、指先の感覚を研ぎ澄ます必要があるので、事前に触覚的な違いが分かるように感覚教育を行うと、より効果的です。
左手で押さえて、右手でなぞるため、押さえる部分の左側に余白があるサンドペーパーレターの方が扱いやすい。
木の溝をなぞり練習することで、ペンを持った形での文字の形を手の感覚で覚えることが可能です。
一つのことに集中できるように、モンテッソーリ教育ではなるべく活動は単純化し、教材もシンプルなものを選びます。
ゆえに、文字においても、1文字ずつが独立した形のものの方が教材としては望ましいです。
スペルを意識する練習(まだ文字が書けない子ども)
文字が自分でまだ書けなくても、文字の表現ができるような方法を、活用することで文字を使った言語の練習をすることができます。
特殊な文字フォントは避け、一般的に使われる見やすいフォントのものを探します。
英語絵本
絵本についても、モンテッソーリ教育特有の絵本選びの仕方があります。
別記事にておすすめの英語絵本一覧を投稿します。
おわりに
モンテッソーリ教育で英語を学べば、将来、使えない英語になることはありません。
なぜなら、対話のための言語学習が目的となっているためです。
乳幼児期の特性を活かした方法で行なうため、苦痛なく第二言語を身につける方法として、モンテッソーリ教育は有用です。