モンテッソーリ理論で考えるスワドルやおくるみをおすすめしない理由

スワドルやおくるみは赤ちゃんを包み込み、まるで子宮内にいた時のことを思い出させるようで安心感を与えてくれる・・・

そんな理由から、病院であったり、産院であったり、おくるみでぐるぐる巻きにして、ダルマのようにされている赤ちゃんが全国にいます。

悩めるママ

スワドルを使うのは良くないんですか?

まな

我が子の成長をサポートしたいのであれば、あまりお勧めしないです。

本記事では、スワドルやおくるみがなぜ不要で、赤ちゃんの発達をサポートするためにはどうすれば良いのかを解説します。

目次

赤ちゃんの発達を促すには

赤ちゃんの成長には、体を自由に動かすことが非常に重要です。

生まれてすぐの赤ちゃんは、まだ自分の意思で全身を操ることはできません。

自発的に手足を動かしながら、体の使い方を学びます。

この自由な動きが、筋肉の発達や運動機能の発展を促す基礎となります。

しかし、スワドルやおくるみによって体が固定されると、赤ちゃんの自然な動きを制限してしまい、体を動かす練習ができません。

それが結果として発達を遅らせてしまうのです。

体を伸ばしたり動かすことは、赤ちゃんの健全な成長に欠かせない要素です。

まな

泣くからと言って、体を固定することは、この世界に生まれて来た赤ちゃんが成長しようとしている本能を押さえつけていることになります。

モロー反射を止めるということ

スワドルを使用する理由の一つとして、赤ちゃんのモロー反射(驚き反射)を抑えることが挙げられます。

しかし、モロー反射は原始反射の一つですが、赤ちゃんの発達において非常に重要な役割を果たします。

これは、生まれたばかりの赤ちゃんが自分の体を認識し、神経系を発達させるための自然な反応です。

体を動かすことによって、脳は発達し、自分の意思で動かすための神経刺激がうまく伝達されるようになっていきます。

モロー反射を無理に抑えることは、脳と身体の連携を妨げ、結果として成長に悪影響を与える可能性があります。

無理に抑え込もうとするほど、この原始反射が残ってしまうかもしれません。

まな

モロー反射は成長とともに自然に消えていくものなので、必要以上に抑え込む必要はありません。

自由な運動の制限

赤ちゃんは成長と共に、寝返りを打ったり、体を動かして適切な姿勢を取ることを学びます。

しかし、スワドルやおくるみで体が固定されてしまうと、この大切な学習機会が減り、運動発達に遅れが生じることがあります。

特に寝返りは、背中や首の筋肉を強化し、バランス感覚を育むために必要な動作です。

また、スワドルによって自由に動けないことで、赤ちゃんが自分で快適な姿勢を見つけられず、スワドルに依存した睡眠方法になってしまいます。

まな

赤ちゃんは、体を動かしたり、自分自身に触れることで自己調節能力を発達させます。

これは、自分で落ち着いたり、安心感を得るための大切なプロセスです。

しかし、スワドルやおくるみによって体が拘束されると、こうした自己調節の機会が奪われてしまい、結果として不安感が増すことがあります。

例えば、赤ちゃんが自分の指をしゃぶったり、手足を動かすことで安心感を得ようとするのに、スワドルで体が固定されていると、その自然な方法が使えなくなってしまいます。

このような状況が続くと、将来的に情緒面での問題につながる可能性もあります。

赤ちゃんの安心感

赤ちゃんの成長は一人ひとり異なり、それぞれのペースで進んでいきます。

親としては、赤ちゃんが安心して過ごせる環境を整えることが重要ですが、スワドルやおくるみに過度に頼るのは避けるべきです。

モンテッソーリ教育でも、子どもが自らのペースで成長することを尊重し、体を自由に動かすことが奨励されています。

赤ちゃんが自由に体を動かしながら、発達する力を引き出す環境を整えることで、健全な成長をサポートできます。

スワドルを使用しないことで、赤ちゃんは自分の体をコントロールし、成長する力を自然に伸ばしていけます。

まな

もちろん、個人差があるので、赤ちゃんが寝る時間の使用だったら、親の負担軽減のために使うのも選択肢の一つとしてあります。

しかしながら、赤ちゃんは母の胎内から、この世界に生まれて来た瞬間から、胎内の住人ではなく、胎外の住人としての生き方を身につけていかなければならない定めです。

胎内にいた時の再現は胎内の幸せを思い出させるかもしれませんが、それは一種の現実逃避です。

胎外に出たのであれば、胎外の環境による新しいシステムで安心感を築いていく必要があります。

それが、モンテッソーリ教育で大切にされている「秩序感」という感覚です。

まな

「秩序感」を育てていくことで、赤ちゃんは胎外での方法で安心感を得て行きます。

安心感を育むことの大切さについてはこちらの記事でまとめています。

泣くことは『悪』ではない

泣くことを抑制しようとして、スワドルやおくるみを使用することを検討される方がほとんどだと思います。

泣かない子どもになれば、大人にとっては都合が良いかもしれません。

ですが、「泣く」という行為は、呼吸や声を出す練習になったり、自己表現するという意味で親子のコミュニケーションを促し愛着形成をする機会にもなります。

赤ちゃんの発達を促すためには、泣くという行為も意味のあることです。

もしも自然な発達を促す環境を作りたい場合は、身体を固定する道具ではなく、身体の下に敷くもの等について気を配りましょう。

もしも寝る時に体温を維持するツールという意味であれば、スリーパーがおすすめです。手足を拘束しないで自由に動きます。

我が家は、このスリーパーを使っていましたが、どんなに寝相が悪くても安心でした。

おわりに

スワドルやおくるみは、一見便利なアイテムのように見えますが、赤ちゃんの自然な発達を妨げる可能性があるため、注意が必要です。

スワドルに頼らず、赤ちゃんの自然な成長をサポートする育児を心がけましょう。

赤ちゃんの安心感を育むためには「秩序感」を作ることが重要です。

まな
幼児教室指導員 / おもちゃコンサルタント
モンテッソーリ理論の理解を深め、おうちモンテッソーリに応用する方法を研究中。医学論文や育児書を読み漁るのが好きな1児ママ。田舎で3歳児を子育て中。国際モンテッソーリ資格有。

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