おもちゃっていっぱいあるし、安全なおもちゃってどう選べばいいの?
市場には多種多様なおもちゃが溢れていますが、本当に安全なものを選ぶのは難しいと感じていませんか?
子どもの健やかな成長を願う親として、どのようなおもちゃが安全であるか、知っておくことはとても大切です。
- 初めてお子さまのおもちゃを購入する新米ママ・パパ
- おもちゃの安全基準やマークについて詳しく知りたい方
- お子さまの誤飲やケガを防ぎたいと考えている保護者
- 海外製のおもちゃの安全性に不安を感じている方
子どもの成長に欠かせない「おもちゃ」。
しかし、そのおもちゃが安全でなければ、子どもの健康や発達に悪影響を及ぼす可能性があります。
今回は、安全性に注目したおもちゃの選び方のポイントを解説します。
まな
知育講師 / 国際モンテ資格有
・幼児教室指導員
・おもちゃコンサルタント
・ベビー知育インストラクター
・キッズ知育インストラクター
・知育玩具アドバイザー
・育脳式積み木インストラクター
・食生活指導士
・乳幼児食指導士 etc.
子どもの発達について日々知識をアップデートしている1児の母。モンテッソーリ教育法研究中&保育士資格の勉強中。
実際に起きたおもちゃによる事故例
実際に起きたおもちゃによる事故の例をまとめたものです。
それぞれのケースを通じて、おもちゃで遊ぶ際の注意点と予防策を考える参考にしてください。
強力な磁石を使用したおもちゃによる誤飲事故
子どもが磁石を誤って飲み込み、腸内で複数の磁石が互いに引き寄せ合い、腸管が挟まれて壊死した事例が報告されています。
小さな磁石は誤飲しやすく、体内で磁石同士がくっつくと深刻な内臓損傷を引き起こす可能性があります。
おもちゃの上に乗って遊ぶなど、おもちゃ破損によりこの事故が起きる確率が上がります。
- 対象年齢を確認し、小さな部品が含まれるおもちゃは3歳未満の子どもには与えない。
- 磁石が外れやすいおもちゃを避ける。
水で膨らむおもちゃによる誤飲事故
水を吸収して膨らむジェル状のボールを子どもが飲み込み、腸閉塞を引き起こした事例があります。このおもちゃは水を吸収することで数倍の大きさになります。
膨張する性質のあるおもちゃは、子どもが口に入れると体内で大きくなり、消化器官を塞ぐ危険性があります。
- 水で膨らむ特性があるおもちゃは子どもに与えない。
- 誤飲リスクを考慮し、子どもの手の届かない場所に保管する。
小さな部品が付属するおもちゃの誤飲事故
ブロックやフィギュアの小さな部品を子どもが口に入れて飲み込んでしまい、窒息しかけた事例があります。
小さな部品は誤飲のリスクが高く、特に3歳未満の子どもは何でも口に入れる傾向があります。
- おもちゃのサイズや部品の大きさを確認する。
- 「誤飲防止基準」(直径31.7mm以上の部品)を満たしたおもちゃを選ぶ。
電池式おもちゃによる事故
リモコンカーなどに使用されるボタン電池を子どもが飲み込み、体内で電池が化学反応を起こしてやけどのような損傷を負った事例が報告されています。
ボタン電池は誤飲しやすい形状で、体内で電解質と反応し、深刻な内臓損傷を引き起こすことがあります。
- 電池が外れにくい設計のおもちゃを選ぶ。
- 電池の蓋がしっかりとネジで固定されていることを確認する。
安全基準を満たしていない海外製おもちゃの事故
海外から輸入された塗料付きのおもちゃに含まれる有害な化学物質(鉛やフタル酸エステル)が子どもの健康に悪影響を及ぼした事例があります。
安全基準が日本国内と異なる場合があり、有害な物質が含まれている可能性があります。
- 国内の安全基準(STマークなど)を満たしたおもちゃを選ぶ。
- 安全性が確認できない輸入品は購入しない。
糸や紐付きのおもちゃによる窒息事故
糸や紐の付いたおもちゃで遊んでいた子どもの首に紐が巻きつき、窒息した事例が報告されています。
長い紐や糸は、子どもの首に絡まりやすく、窒息のリスクを伴います。
- 紐や糸の長さが短いおもちゃを選ぶ。
- 使用中は保護者が目を離さない。
これらの事故を防ぐためには、おもちゃ選びの段階から安全性を重視することが大切です。また、保護者が適切に管理し、子どもに与えるおもちゃが安全であるか確認することが重要です。
おもちゃの安全基準とは?
おもちゃの安全基準とは、子どもが安全に使用できるよう定められた基準のことです。
特に、小さな部品の誤飲や、毒性のある素材の使用が問題視されます。
国や地域ごとに基準が設けられており、厳格なテストをクリアした製品には安全マークが付与されます。
このマークは、消費者が安全なおもちゃを選ぶ重要な指標です。
日本の「STマーク」とは?
STマークは、日本玩具協会が定める安全基準を満たしたおもちゃに付けられる認証マークです。「Safety Toy」の略で、以下の項目が厳しく審査されます。
STマークの検査基準
1. 機械的安全性
子どもの身体に危害を及ぼす可能性のある尖った部分や小さな部品がないかを確認します。
特に小さな部品は誤飲防止のため、直径31.7mm以下の部品が子どもの手の届く場所に含まれていないかを検査します。
2. 可燃安全性
おもちゃが燃えにくい材料で作られていることを確認します。
燃えた場合でも、燃焼速度が一定基準を下回ることを求められます。
3. 化学的安全性
鉛やフタル酸エステルなど、子どもの健康に有害な物質が含まれていないかを検査します。
口に入れても安全な塗料が使用されているかを確認します。
4. 物理的安全性
強度テストで、使用中に壊れたり、危険な部品が露出しないことを確認します。
ひもや紐状のパーツが長すぎて子どもの首に絡まらないかも検査します。
5. 対象年齢に応じた基準
対象年齢ごとに異なる安全性を考慮し、小さな子ども用おもちゃでは特に厳しい基準を適用します。
おもちゃのどこを見て確認できる?
STマークは、パッケージや製品本体に記載されています。
「一般財団法人 日本玩具協会」がおもちゃの検査を担当します。
STマークが付いているおもちゃは、日本国内の安全基準をクリアしているため、安心して購入できます。
国際的な「CEマーク」とは?
CEマークは、EU(欧州連合)加盟国で販売される製品が、EUの厳しい安全基準に適合していることを示します。このマークが付いている商品は、ヨーロッパ内で自由に流通可能です。
CEマークは、欧州の「おもちゃの安全指令(Toy Safety Directive)」に基づきます。
CEマークの検査基準
1. 機械的・物理的安全性
破損や誤飲のリスクがないよう、おもちゃの設計と素材がテストされます。
尖った部分や壊れやすい箇所がないことを確認します。
2. 化学物質の安全性
重金属(鉛、水銀など)や有害化学物質(フタル酸エステル、ホルムアルデヒドなど)が一定基準を超えて含まれないことが義務付けられています。
特に、子どもが口に入れる可能性のあるおもちゃでは厳しい規制があります。
3. 電気安全性
電動おもちゃやバッテリーを使ったおもちゃの場合、電気ショートや発火の危険がないか確認します。
4. 可燃安全性
火に近づけた場合に、燃えにくい素材であることを確認します。
5. 音量の制限
騒音性が高いおもちゃ(音楽が出るおもちゃなど)の場合、子どもの聴覚に影響を与えない音量であることが求められます。
6. 対象年齢の表示
年齢適合性を考慮し、特に36か月未満の子ども用のおもちゃには厳しい基準が設定されています。
- EU加盟国すべてで有効な安全規格。
- おもちゃだけでなく、電子機器や医療機器など多岐にわたる製品に適用。
- 基準を満たせばEU内での流通が可能になる。
おもちゃのどこを見て確認できる?
CEマークは製品やパッケージに表示されています。
メーカーが自主的に安全検査を行い、CEマークを付与します。
海外輸入のおもちゃはこのマークがついてるものを選ぶといいです。
CEマークとSTマークの違い
STマーク | CEマーク | |
---|---|---|
対象地域 | 日本国内 | EU加盟国 |
審査機関 | 日本玩具協会 | 各国の認定機関 |
基準の内容 | 日本独自の基準 | EUの統一基準 |
STマークは日本の子どもの遊び環境に特化した基準であり、CEマークは国際的に広く適用される基準です。
安全なおもちゃを選ぶ際のチェックポイント
おもちゃを選ぶ際には、以下のポイントに注意してください。
STマークやCEマークが付いているかを確認する。
対象年齢が明記されているかを確認する。
有害物質を含まない安全な素材かどうかを確認する。
誤飲の危険性がないか確認する。
首に絡まる危険性がないか確認する。
壊れにくい頑丈な構造かを確認する。
特に乳幼児向けのおもちゃは、誤飲や素材の安全性を重視する必要があります。
事故を気にしていたら、子どもに何も与えられなくなってしまいます。
事故が起こる時というのは、大抵、大人が目を離した瞬間です。
また、日頃からの管理点検で防げる破損おもちゃの使用などが原因であったりするため、対策を十分に行なっていればそこまで億劫になる必要はありません。
海外製おもちゃのリスクと対策
海外製おもちゃはデザインや価格の面で魅力的ですが、以下のリスクがあります。
安全基準の違い:一部の製品は、日本の基準を満たしていない場合がある。
品質管理の不十分さ:低価格製品の中には、耐久性が低いものも。
対策として、以下を心がけましょう。
- 安全マークを確認する:CEマークが付いているかをチェック。
- 口コミやレビューを見る:実際に使用した消費者の意見を参考にする。
- 信頼できる販売元を選ぶ:正規代理店や信頼性の高い店舗で購入する。
おわりに
おもちゃの安全基準を理解し、安全マークを確認することは、子どもの健やかな成長を支える大切なステップです。
特に日本のSTマークや国際的なCEマークは、信頼性の高い基準であるため、購入時の判断材料として活用してください。
また、親自身が子どもの年齢や特性に合ったおもちゃを選ぶ目を養うことも重要です。
安全を守るおもちゃの知識をしっかり押さえて、子どもが安心して遊べる環境を整えていきましょう。
おもちゃのサブスクを使えば、安全なおもちゃを発達の成長に合わせて定期的に取り替えてもらえます。