モンテッソーリ園に通えないご家庭、おうちモンテしか縁がないなど、モンテッソーリ教育が実践されてる園の様子を見学されたことがないご家庭は必見です!
特に、ネガティブなイメージをどこかに持たれてる方は一度見たほうが良いですね!
映画「モンテッソーリ 子どもの家」は、フランス最古のモンテッソーリ学校の幼児クラスを2年3カ月にわたって取材したものです。
2歳半~6歳の子どもたちが教具で自由に学ぶ姿、彼らが成長していく姿を105分のドキュメンタリー映像でまとめてくれています。
秩序の敏感期にいるなか、子どもたちにとって部外者の訪問というのは不快要素です。
長時間の見学自体もなかなか難しいなか、取材を受け入れてくれ、よくぞそんな長期間の活動風景を追って一般公開してくれました!という貴重な動画資料!
モンテッソーリの理論など深く知らない人にも、ナレーションで分かりやすく説明してくれます。
おうちモンテッソーリを本気でやってみたいという人は、ぜひ一度、本場のモンテッソーリの雰囲気を確認すると、迷いが消えたり、色んな刺激をもらえますよ。
子どもたちの1年での成長ぶりが分かる
最初はたどたどしく活動をしていた子どもたちが、1年も経つと、先輩として後輩の子どもたちに提示をしている成長ぶりも、この映画を通して見ることができます。
新しく入園して来た子どもたちがたくましく変わっていく姿。
母子分離で泣いていた子たちが次第に集団の中での活動を受け入れていく姿など。
教具に対してどのように興味を持ち、教具の扱いをどのように習得していくかも分かります。
最初は他人のお仕事を邪魔しちゃってた子達も、成長して変わっていきます。
実際のモンテッソーリ環境作りの方法が分かる
一般的には感覚教育、言語教育、数教育の教具が多く目にするものだけど、それとは違う教具もたくさん使われていて、ぜひとも家でやってみたいなと思いました。
- 生け花
- りんごカッター
- 果汁絞り器
- マッチでろうそく点火・消灯
- ベルでの静粛練習
- ローマのアーチ
なんか、めっちゃ生け花やってるイメージ強かったです(笑)
ローマのアーチは大人がやっても楽しそうな教具でした!
石橋作りの原理を積み木で体感できる!
モンテッソーリ棚は、子ども目線で、子どもの手が届く高さが再現できるのであれば、ラックでなくても良いんだなぁと。
壁に直接ネジを打ちこみ、そこに板を乗せる形の棚でした。
そして、やはり、思うのは、使う道具に派手さはないということ(色無し木製がほとんど)
これを見ると、やはり、日本で流行っているおうちモンテは、モンテッソーリ教育から逸脱して異常な状態にあると思います。
カラフルな紙も、カラフルな道具も、派手で複雑な理科の実験もしません。
白い紙、木製の積み木、透明な水によるシンプルな浮き沈みの実験や透明な水を使ってサイフォンの原理など。
それほど無言でやってるわけではなく、和気あいあいとした雰囲気でした。
教師(大人)の接し方がわかる
モンテッソーリ教育理論が上手く実践されてる園(腕のいい教師)ほど、腕の良い教師ほど、何もしてないんじゃないのか?ってくらい、出番がないって聞くけど本当でした。
この映画を見ていて、本当に、先生の出番はほとんどないです。
集団活動の時間、例えば、ストーリーテリングのような時間であったり、静粛練習のような時間、ちょっと騒がしいよ〜と注意する時には出番がある感じですが。
あとは、初めての教具の使い方を教わる時には、教師が提示をしに現れてくれます。
使い方が分からず、遊んでいたりする場合もサポートに入ってました。
喧嘩の仲裁の仕方・声かけがわかる
映画の中では、絵を描いている男の子が女の子の描いた絵を「可愛くない」と否定する場面が映されます。
ガイドである教師がやって来て、二人の話を聞き、仲裁に入ります。
そして、してはいけないこととしていいことをしっかりと二人に伝えます。
モンテッソーリ教育は叱らない教育だと世の中には広まっていて、悪いことをしても指摘しないと思ってる人も中にはいると思いますが、違いますよ。
きちんとその場で指摘し、正しいおこないを諭していました。
外遊びの時間もある
モンテッソーリ教育では運動不足になるというような心配をされる人も中にはいますが、外遊びの時間もちゃんとありました。
そもそも、モンテッソーリ教育では『運動』への考え方が異なるので、そこは心配する必要はありません。
個人活動ではなく集団活動である
モンテッソーリ教育はよく個人活動だから協調性がなくなると言われますが、この映画を見たら、そんなことはない、と分かってもらえると思います。
なぜなら、お互いを尊重し合うことが常に意識された環境だからです。
例えば、野菜切りをする場面が出ますが、同じ野菜を切りたい…というブッキングがあり、それをガイドである教師が、上手く分担という形に導きます。
活動自体は個人活動ですが、活動を滞りなくおこなえるのは集団の中での立ち回り方やルールを学んでいるからこそです。
モンテッソーリ園とおうちモンテッソーリの違いがわかる
モンテッソーリ園でのモンテッソーリ教育は集団生活によるものであり、これは正統な理論に基づいて行われてるものです。
しかしながら、おうちモンテッソーリは、集団活動ではなく、個人活動が主体となっており、正統な理論をそのまま用いたとしても機能しない部分があります。
例えば、モンテッソーリ園では、大きい子たちがたくさんの教具をそれぞれ使っている風景を、小さい子が見ることで自然とやり方を覚え、興味を持ったりする環境があります。
おうちモンテには、この刺激が欠けています。
また、片付けに関しても、他に使う人がいるからという必要性があるからこそ、本人が納得して園では片付けを自発的におこなう理由となります。
しかし、おうちモンテでは自分以外が使うことがないため、片付けに必要性を感じず片付けない子も出て来るのです。
子どもは活動の先に必要性があるものを見出せないと、やる気が起きません。
やはり、モンテッソーリ園とおうちモンテではやり方を変えなければならない部分があると深く感じました。
おわりに
子どもたちの笑顔が印象的でした。
おもちゃで遊ぶのではなく、教具でお仕事をやり終えた時の子どもたちの満足そうな顔。
モンテッソーリ教育というのは、教具の使い方を厳格に制限しており、自由さが感じられなくて、子供が可哀想とよく言われます。
ですが、それは、モンテッソーリ教育の理論を知らずに大人が勝手に先入観で判断している感想です。
なぜ、教具を自由に使ってはいけないのか?方法が制限されているのか?それには、発達に合わせたメソッドがあるのです。
ただし、簡単にまとめられるような内容ではないのでここでは解説を割愛!別記事でまたまとめられたらまとめます(苦笑)
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