モンテッソーリ教育が合わない子、向かない子とは?

モンテッソーリ教育に興味を持つ保護者の中には、「うちの子にモンテッソーリ教育は合わないのでは?」と不安を感じる方もいるかもしれません。

しかし、実はモンテッソーリ教育はすべての子どもに向けた教育法です。

発達段階に合わせて子どもの自然な欲求を尊重し、活動に導いていくため、基本的には「合わない」ということはありません。

それでも、合わないと感じてしまうケースがあるのはなぜでしょうか?

この記事では、モンテッソーリ教育が合わないと感じる理由とその対策について詳しく説明します。

目次

モンテッソーリ教育が「合わない」と感じる理由

モンテッソーリ教育に「合わない」と感じる原因の一つは、教育を実践する大人側のアプローチにあります。

モンテッソーリ教育は、子どもの自主性を尊重し、子どもが自分で選び、試行錯誤できる環境を提供することが大切です。

まな

実態は、なかなか理論通りに再現するのが難しく、教師の力量に大きく左右されます。

大人が過度に指示を出したり、子どものペースを無視して進めてしまったりすると、子どもはその教育に対して無関心になったり嫌悪感を持ったりすることがあります。

その結果、「モンテッソーリ教育が合わない」と感じることがあるのです。

モンテッソーリ教育の成功は、教師や親の対応に大きく依存しています。

モンテッソーリ教育において、教師が子どもの成長を見守りながら適切にサポートできるかどうかが、子どもに「合う」か「合わない」かを左右します。

モンテッソーリ教育に合わないと感じる子どもの特徴

モンテッソーリ教育が基本的にはすべての子どもに向いているとされる一方で、特定の子どもが「合わない」と感じることもあります。

その理由の一つとして、子どもの性格や特性に応じた教育が提供されていない場合が考えられます。

例えば、非常に自己主張が強い子どもや、繊細で新しい環境に馴染むのに時間がかかる子どもに対して、適切なサポートがなければ、その子どもにとってストレスとなることがあります。

まな

細やかなサポートが必要となりますが、集団での中では制限があるため、お家のようには自由にはなりません。

また、モンテッソーリ教育が提供される環境が不十分であったり、教師が十分な理解を持たずに指導している場合も、子どもは「合わない」と感じることがあります。

ちなみに、我が家の娘も、教具を好まない子どもで、本物の教具があろうともお構いなく、外にある草を抜きたがる子でした。

30分以上草を抜いてるみたいな活動日もあり、ある意味、集中現象起きてるのでそれはそれで良かったのですが。

まな

娘は、どちらかというとモンテッソーリ向きではない子どもの特徴を持っていましたね(笑)

ただ、モンテッソーリ向きではないというよりも、まだ、教具に向き合う時期になってないという感じで、日常生活の練習のほうに興味を強く持っているようでした。

モンテッソーリ園のような集団の場においては、なかなか、このように外活動へ行きたがったとしても、教師の数が限られてることもあり、個性の強めな子には対応が限られる可能性があります。

まな

そうなると、結果として、合わない…ということになり得るのです。

モンテッソーリ教育が親に合わない場合もある

モンテッソーリ教育は子どもに合わせた教育法ですが、実は親にとっても向き不向きがあるかもしれません。

特に、モンテッソーリ教育の理論や実践に対する理解が浅い場合、子どもの成長を待つことができずに焦ってしまったり、結果を急いでしまったりすることがあります。

親がモンテッソーリ教育の本質を理解し、子どものペースを尊重する姿勢がないと、教育がうまく機能しないことがあります。

まな

モンテッソーリ教育を成功させるためには、親自身も理論をしっかり学び、子ども一人ひとりの個性を理解することが大切です。

モンテッソーリ教育のデメリットとされる部分

モンテッソーリ教育には多くのメリットがありますが、誤解されがちなデメリットもいくつか挙げられます。以下は、一般的に指摘されるモンテッソーリ教育のデメリットです。

1. 協調性が育ちにくい

   モンテッソーリ教育では、子どもが自分のペースで個人活動することを重視します。そのため、他の子どもと一緒に行動する機会が少なく、協調性が育ちにくいと考えられることがあります。

しかしながら、モンテッソーリメソッドは、むしろ協調性を身につけるための基礎をしっかりと作る教育法です。

理論に精通していない人から見ると、単なる個人活動では協調性が育たないと短絡的に判断されますが、発達の順序を考えた上で、個人活動で自立の基礎を固めた後で、協調性を育む段階へ移ります。

協調性や友達との活動が本格的になるのは発達の流れ上、児童期(小学生)からとなっているため、乳幼児期においては集団活動はあまり用意されていません。

発達の時期に合わせた社会性を身につける過程となっています。

2. 異年齢保育による弊害

   モンテッソーリ教育は異年齢保育を取り入れており、年上の子どもが年下の子どもを助けることでリーダーシップが育まれます。

年齢や性格など多種多様な人間が集まる中で生活することで、社会性を身につけることができるというメリットもありますが、いっぽうでデメリットも声が上がります。

年下の子に対して年上の子が「なんで出来ないの?」と年下の子を責めるような、自己肯定感を下げるような発言があることが、デメリットの例としてあがっています。

ですが、これもモンテッソーリメソッドが正しく機能していない場合に発生してしまう残念な事例です。

3. 運動不足

   モンテッソーリ教育では、教室内での活動が多く、外での運動が不足することが指摘されています。特に、身体を動かす遊びが少ないと感じる親もいるかもしれません。

ですが、モンテッソーリメソッドにおいては、乳幼児期に必要な運動とは激しい運動をすることに重きを置いていません。

体力を大量消費させる無駄な動きが多い運動ではなく、生活をこなすための体の動きの習得に重きを置いています。

まずは自分の体を自分の意思で操るというのが目標であるため、日常生活の練習を基礎とした運動を優先しているのです。

4. 創造力が育ちにくい

   モンテッソーリ教育は、既存の教材や活動に沿った学びが多いため、自由な発想や創造力が育ちにくいという意見もあります。

しかしながら、乳幼児期の子どもの創造力と思って見えているものは想像力であり、まだ未完成な形のものです。

まな

感覚探究の試行錯誤をしている活動が創造的な活動に見えてしまうこともあります。

子どもの創造力が働き出すのは児童期(小学生)以降と考えられており、乳幼児期の後半において想像力が育ち始めますが、この時期に児童期の礎を作ることを目標としています。

また、モンテッソーリ教育においての想像力とは、妄想を助長するものではなく、現実を起点とした想像力を発達させることを目指しており、それによって、より創造力を飛躍させるメソッドとなっているのです。

モンテッソーリ教育で失敗しないために

モンテッソーリ教育を成功させるためには、親が教育理論をしっかり学び、子どもの個性に合わせたアプローチをすることが大切です。

以下は、モンテッソーリ教育で失敗しないためのポイントです。

1. 親がモンテッソーリ教育の理論を学ぶ

   モンテッソーリ教育は、子どもの自主性を尊重し、個別のペースで成長を促す教育法です。

親がこの理論を理解し、子どもの成長を見守る姿勢を持つことが重要です。

2. 園選びは慎重に

   モンテッソーリ教育を実践する園を選ぶ際は、入念なリサーチが必要です。

見学だけではなく、実際に通っている保護者の声を聞くことも参考になります。

3. 園に頼りすぎず家庭でカバー

   モンテッソーリ教育のデメリットとされる部分を家庭で補うことも一つの方法です。

モンテッソーリ園と同じように教具を用意しなければならないと思われる方も多いですが、逆に、園で出来ない日常生活の練習を家庭では重点的に行う方がいいです。

まな

家庭にも教具を取り入れてしまうと、園での活動に興味をなくしてしまうこともあるそうです。

おわりに

モンテッソーリ教育は、すべての子どもに合った教育法です。

しかし、教育を実践する大人がその本質を理解し、子どもの個性に合わせたサポートを提供できない場合、子どもが「合わない」と感じることがあるかもしれません。

モンテッソーリ教育の成功の鍵は、子ども一人ひとりに寄り添い、成長を見守る姿勢にあります。

まな
幼児教室指導員 / おもちゃコンサルタント
モンテッソーリ理論の理解を深め、おうちモンテッソーリに応用する方法を研究中。医学論文や育児書を読み漁るのが好きな1児ママ。田舎で3歳児を子育て中。国際モンテッソーリ資格有。

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