モンテッソーリメソッドで考える絵本の選び方とおすすめ

絵本なんて何千何万とあって、本のレビューを見ても、どの絵本が子どもの成長に適しているか…頭を抱えてしまいますよね。

○歳向けという情報だけを頼りに子どもに絵本を与えていませんか?

私も、くもんの推薦図書頼りな時期もありましたが、モンテッソーリ教育の勉強を進めていくうちに、絵本選びの方法が分かって来ました。

子どもの知識ゼロからでも、勉強をすれば絵本の選び方は分かるようになります。

まな

自分で絵本選びをできるようになってみませんか?

この記事はこんな人向け
  • モンテッソーリ理論での絵本選びがしたい
  • 年齢ごとの絵本の選び方を知りたい
  • 発達に合わせた絵本の選び方が知りたい
  • 絵本選びの仕方がよくわからない
  • 良い絵本の見極めができるようになりたい

本記事では、モンテッソーリ教育に基づく絵本選びの基準やおすすめ絵本を紹介します。

目次

モンテッソーリメソッドで考える絵本選びのポイント

絵本の選び方とは、実は支持する教育法によって選ぶ基準が全く変わります。

なぜなら、教育法ごとに子どもの発達に対する考え方が異なるから。

なので、絵本の選び方を学ぶためには、まず自分が選択している教育法が考えている子どもの発達の流れを知る必要があるのです。

まな

今回ご紹介するのは、モンテッソーリ理論を元に考えているものです。

モンテッソーリ教育は、自分が生きる世界への理解を子どもたちに分かりやすく的確に伝えることを軸にした教育法。

よくモンテッソーリ教育ではファンタジーやキャラクターNGという話を聞くのではないかと思います。

まな

理論を知らない人からすれば、子どもに夢を与えないなんて野蛮な教育法と思われるかもしれません。

でも、これも子どもの発達を知れば、大人が子供達に良かれと思って与えているファンタジーやキャラクターが、実は子どもたちの発達の妨げになっていることを理解することができます。

まな

このファンタジーNG理論については別記事にまとめる予定です。

ゆえに、モンテッソーリ教育を念頭に置いた絵本選びは、一般的な絵本選びの常識からすると、子どもらしさを排除したようなどこか違和感を覚える形であるかもしれません。

逆に、このモンテッソーリ式の絵本選びに違和感を覚えるのであれば、世の中の一般常識というものが、どれほど子どもの発達に寄り添わない形で常態化してしまっているのか、その危機的状況が垣間見えます。

まな

乳幼児期の子どもにとって適した絵本の内容は、以下の特徴を持つものが理想的です。

実生活に必要なものの名前を学ぶ

3歳未満は特に、「くだもの」「野菜」「植物」「動物」など身近なものを描いた絵本や生活絵本などが言葉を学ぶ手助けとなります。

特にストーリー性がなくても、これが、この物の名前という単純なシチュエーションの内容で構いませんし、ある食材が調理されていくというような手順のようなストーリーでも構わないです。

生活の中でよく見る風景、道具、生き物など。

まな

私たちが生活をしていく中で身近な物の名前は、まず、小さい子どもたちが知りたい興味の中心です。

色・形・大きさ・数の概念を学ぶ

実物で学ぶのが基本ですが、絵本でも併用して、色・形・大きさの概念を意識できるものをみておくのがいいです。

モンテッソーリ教育では、具体物を用いて、概念を学ばせます。

実際に手に触れる物で感覚を駆使しながら知覚するのが1番ですが、なかなか手に入らない具体物も多いですから、そういうものは絵本などで出会わせてあげましょう。

時間の概念を学ぶ

未来や過去などの概念は経験の中で身につけていくため、小さい子ほど時間的な概念がありません。

ゆえに、「きのう」や「あした」が理解できないのです。

まな

まだ、時間の存在を知覚していないので!

だからと言って、絵本で見せないほうがいいというわけではなく、時間の概念を持っている視点と持たない視点では絵本の楽しみ方が違うことを知っておいてください。

たとえば時間の概念がまだ出来上がっていない子は、季節の移り変わりをテーマにしたような絵本であれば、同じ葉っぱが季節ごとに違う顔を見せる、という変化の部分に面白みを感じているのではなく、葉っぱが緑だ、赤だ、茶色だ、という緑の葉っぱ、赤い葉っぱ、茶色の葉っぱ、そのものに面白みを感じるのです。

時間の概念を手に入れていくうちに、その興味の中心が、同じものなのに季節で色の変化がある、という部分に移っていきます。

3歳未満はなるべく、

  • 時間の概念を意識できるような内容
  • 時間の流れが視覚的に理解しやすい内容

に触れさせてあげてください。

その経験を積むことで、時間の概念の輪郭を抽出する手助けになります。

まな

視覚的に伝わりやすい内容を意識してみてください。

ファンタジーや非現実的な要素は避ける

乳幼児期の子どもはまだまだ現実の世界を探求している途中です。

未知のものが、大人が思ってる以上にたくさんあります。

現実と幻想の区別が難しいため、その時期に非現実的な要素を与えるのは、現実世界を知ろうとしている子どもたちにとって混乱を生む原因になります。

動物が喋っていたり、服を着ていたり、妖精や魔法のお話など。

3歳未満の子どもは、これらが現実の世界に存在すると思い理解していくため、特に混乱してしまいます。

まな

乳幼児期に与えるものは、まず、現実に即したものが鉄則です。

乳幼児期後半になると、想像力が働き始め、現実と幻想の区別がつき始めますが、それでもファンタジーは与えません。

モンテッソーリ教育での想像力の使い方は妄想や現実逃避に使うものではなく、現実世界の知識を膨らませるために使うものとして考えられています。

例えば、遠い国の話や偉人の物語など、実際に目にすることは難しいけれど想像の中で思い浮かべることができるもの、という形で想像力を育みます。

正しい言葉づかい

絵本の中で使われる言葉は正確で、実生活で役立つものが望ましいです。

モンテッソーリ教育では、赤ちゃん言葉は好みません。

赤ちゃん言葉とは「あんよ」など大人が使わない言葉です。

大人が会話で使う言葉を子どもにそのまま伝えます。

まな

「わんわん」「にゃんにゃん」などもあり、これも赤ちゃん言葉として解釈されるかもしれませんが、これはオノマトペでいう擬音語に属する言葉でもあるため、この場合は取り入れてもいいのではないでしょうか。

オノマトペは日本語における大切な表現のスキルであり、大人になってからも使います。

「子どもは環境から吸収する」というほど、言語も絵本の中の言葉を吸収します。

子どもに覚えて欲しくない言葉が出てくるような内容や正しくない日本語を使っているような絵本は避けましょう。

「これは何?」から「どうして?」へ興味の中心が移行

成長すると、単なる名前や存在を超えて、その意味や背景に興味を持ち始めます。

このときに適切な本を選ぶことで、探究心を育てることができます。

日頃からの観察で、子どもの興味を知っておき、適切な絵本と引き合わせると食いつきが変わります。

まな

あくまでもこれらは特徴の一部例です。

モンテッソーリ目線でおすすめ!絵本シリーズ

以下に、モンテッソーリ教育の観点からおすすめの絵本シリーズを紹介します。

毎月定期的に発刊される絵本で、子どもが現実の世界を理解するために適した内容が多いシリーズです。

こどものとも えほんシリーズ

赤ちゃんから幼児向けに作られたシリーズで、やさしい絵とシンプルな言葉で、日常生活に密接した内容が描かれています。

例えば、動物や植物、日常生活の場面などをテーマにした絵本が多く、安心感を持って親しめます。

ちいさなかがくのともシリーズ

小さな子どもでも分かりやすい科学の絵本シリーズです。

例えば、「花が咲く」「雨が降る」といった日常の自然現象がテーマとなり、生活の中で身近な事象を学ぶ手助けをしてくれます。

かがくのともシリーズ

小学生におすすめのシリーズですが、自然や科学、社会など幅広いテーマを扱っており、モンテッソーリ教育に適しています。

成長に合わせて、現実的な知識を深めていける内容が豊富に揃っているのでおすすめです。

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年齢ごとの選び方目安・おすすめ絵本

モンテッソーリ教育では、子どもの成長段階に応じた絵本を選ぶことが大切です。ここでは、年齢別の特徴に合わせた絵本の選び方とおすすめの絵本を紹介します。

まな

年齢別を目安として書きますが、実際には子どもの発達を観察して、興味の中心の変化を探ってください。発達の流れだけイメージするのにこの目安を参考にしてください。

0歳

この時期は、視覚に訴えるシンプルな色や形の絵が理想的です。ページをめくる動作や、親子で本を見ながら音を楽しむことができる絵本も良い選択です。

色彩が豊かで、簡単な形のものが描かれている絵本が理想的です。

1歳・2歳

日常生活に登場する物や人を描いた絵本が適しています。シンプルな言葉で短い文章のものを選ぶことで、子どもが言葉を覚えやすくなります。

身近な動物、植物についての内容も適しています。「りんご」や「いぬ」など、目にする機会の多いものを描いた絵本が言葉の発達を助けます。

3歳・4歳

短いストーリーがある絵本も好まれるようになります。子どもは身の回りの出来事に興味を持ち始め、「なぜ?どうして?」という疑問が多くなるため、自然現象や簡単な社会的な出来事を扱った内容が良いでしょう。

5歳・6歳

想像力が働きだすので昔話なども楽しめます。現実的な内容を持ちながらも、異国の文化や歴史、偉人の話などが興味を引く内容になります。

実際に触れることのできるモノや、興味の対象が少しずつ拡がる年齢です。より複雑な言葉や文章が含まれる絵本で、思考力を育むきっかけにもなります。

絵本の選び方の知識が身につく

子どもがどのように言葉を学び、世界を理解するかを知るために、親としての理解を深めることも重要です。

言語の習得の流れを把握していれば、サポートの方法が分かります。

絵本はやはり言語を育ててくれるアイテムとして有能ですが、親である私たちは、言葉の身につけ方を詳しく知りません。

言語的な知識は言語学を学べば分かるようになります。

モンテッソーリ的な絵本選びを意識するのであれば、できるだけ多くのモンテッソーリの言葉を学ぶことが本選びの知識となります。

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おわりに

モンテッソーリメソッドを取り入れた絵本選びでは、現実に基づいた内容を通して、子どもが世界を理解する手助けをすることが重視されています。

子どもの発達段階や年齢に応じたものを選ぶことで、自己形成や探究心が自然と育まれる環境が作られます。

絵本を通じて、日常生活や身近なものについて学ぶ機会を提供し、子どもの成長に合わせて適切なサポートをしていきましょう。

今回ご紹介したポイントは、モンテッソーリメソッドから応用できそうな部分を書き出したものになるので、これ以外にもまだまだ出て来そうな予感です。

まな

もっともっとモンテッソーリ博士の言葉を学び、理解を深めていきたいものです。

まな
幼児教室指導員 / おもちゃコンサルタント
モンテッソーリ理論の理解を深め、おうちモンテッソーリに応用する方法を研究中。医学論文や育児書を読み漁るのが好きな1児ママ。田舎で3歳児を子育て中。国際モンテッソーリ資格有。

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