自宅保育をしていると、思ったように育児が上手くいかず、あまり我が子を幸せにできていないような錯覚に陥る瞬間があります。
子どもとの時間を大切にしたくて自宅保育を選んだはずなのに、気がつけば何も我が子のためにできずにいる…
保育園に預けていた方が子どもにとっては幸せだったのかな?なんて・・・ふと、思っちゃうことありませんか?
私は度々ありました。
でも、親子時間の大切さを知っているからこそ、心が折れても、再び自らを奮い立たせることが出来ていたのだと思います。
本記事では、親が子どものそばにいることの重要性についてモンテッソーリ教育について触れながら解説していきます。
安心感と自立
親子時間が大切だと言われる理由は何だと思いますか?
まず、思い浮かぶのは「愛着形成」という言葉だと思います。
幼児期における愛着形成を大切にしたい…そんな想いから、保育園に入れず、自宅で保育を頑張るという選択をされているご家庭があるわけです。
我が家も、そんな家庭の1つですね。
愛着形成をすることがなぜそんなにも重要なのでしょうか?
愛着形成をする過程を経て、親がそばにいることに対して子どもは安心感を抱くようになります。
当たり前のことですが、大人はこの事実を忘れがちです。
でも実は、その安心感が大切なんですね。
安心する気持ちがあるからこそ、子どもは、未知なる世界に踏み出す勇気が生まれるわけです。
親がそばにいることで、子どもは「怖くなったらいつでも逃げる場所がある」と感じ、怖くない範囲で自由に探索し、新しい挑戦に臨むことができるようになります。
インスタのコメントで「ポケモンセンターがあるからポケモンバトルに行けるということですね」という視点もいただきましたが、まさに、です・・・
『回復できる場所がある』という安心感がなければ、バトルして死んでしまったらどうしよう?HPゲージがもうヤバい・・・そればかりが気になってしまい、戦いや冒険に対して積極的になれません。
いつでも、『回復できる場所がある』という安心感があってこそ、積極的に外の世界へと向かい合えるのです。
話を元に戻しますが、モンテッソーリ教育においては、生まれてからすぐ、この『安心感』を築くための環境作りに力を入れます。
生まれて8週間は母子共生期とされ、まずは母子が特に強く愛着形成できるような環境を整えます。
父親は母子が共に過ごせるようにサポート役にまわる、という形で生活します。
まずは母と子の時間を最優先で作ること。
そして、母子の信頼関係が良好に築かれると、母の安心感を元に、徐々に、他の人間への安心感も広めていきます。
親は子どもの「安全基地」
親は子どもが困難に直面したときに戻ることができる「安全基地」としての役割を果たします。
この基地がしっかりしていることで、子どもは自信を持って外の世界に挑戦できます。
もし子どもが不安を感じても、安全基地がなかったらどうでしょうか?
やはり、保守的になってしまいますよね。
無理してチャレンジしなくていいや…。
安全基地がない中での環境に慣れてしまうと、その消極的な考えが身についてしまい、何事にも保守的になってしまいます。
安心できる場所があるからこそ、自立心や自主性は育まれて行くのです。
母子分離の鍵
母子分離をスムーズに進めるためには、親子の信頼関係が強固であることが必要です。
親子の信頼関係が育つと、子どもたちは安心して親から離れて活動するようになっていきます。
つまり、母子分離は、この安心感が出来上がることで自然と出来ていくことなのです。
信頼関係がしっかり築かれていることで、子どもは安心して親から離れ、新しい環境や活動に挑戦することができます。
信頼関係が弱い場合、子どもは不安を抱え、外の世界に対して消極的になることがあります。
しかしながら、どれだけ愛情を持って、長い時間を共に過ごしたからと言って、必ずしも母子分離がすぐうまくいく、というわけではありません。
個人によって、安心感を構築するスピードはさまざまです。
信頼関係があったとしても、子どもの性質(個性)がもともと不安感が強いと、時間がかかったり、あるいは消極的な世界から抜け出せない場合もあります。
他人の子がどうであれ、我が子は我が子なりのスピードで成長していることを意識してください。
みんな、一緒ではありません!違って当然なので、そのことで必要以上に焦る必要はありません。
うちの娘も子ども恐怖症ばりの人見知り(人間嫌いレベル)で、3歳を目前に突然克服しました。
我が家も自宅保育でずっと子どもと時間を共にしていましたが、感覚過敏性があり、極度の怖がり体質であったため、何事に対しても不安感が強く、クレーン現象などもあり、父母以外は拒否で、人嫌いな態度がひどかったです。(人見知りではなく、人間嫌いレベル)
3歳になる直前まで母子分離できる兆しはなく、とても不安なまま過ごしていました。
逆に、この安心感を構築できた瞬間から衝撃的なほど変わって、ビックリしました。人が変わった?!というレベルで突然…
母子分離時期は一律ではない
母子分離の進め方は、すべての子どもに一律で適用できるわけではありません。子どもによって性格や発達のペースは異なり、親から離れるタイミングもそれぞれ異なります。
急な分離は逆効果となり、子どもに不安感を与えてしまうこともあります。
子どもの発達の流れでは、2,3歳前後で他の友達のことが徐々に気になり始め、小学生になる頃には、親よりも友達と過ごすことが優先になるというくらい、友達のことが大切な存在になっていきます。
そのような発達の流れが背後にありますので、いずれ母子分離の時は訪れますが、そのタイミングには個人差が大きくあります。
焦らず、子どもの成長に合わせて分離を進めることが大切です。
ただし、日本においては、母子分離の環境を個人に合わせて段階を踏むには、ほぼ各家庭での努力という形でおこなわれてるものと思います。
義務教育ではないから自宅保育でも構わないという選択肢もあるわけですが、実際的には家庭の負担が大き過ぎて現実的ではありません。
学びの促進
モンテッソーリ教育は「子どもは自らの興味から学ぶ」という原則に基づいています。
親子時間では、親が子どもの興味を尊重し、一緒に探索や実験をすることで、学びが深まります。
たとえば、自然観察や料理、工作など、さまざまな活動を通じて、親子での学びの体験を共有することが重要です。
このような体験は、子どもにとって記憶に残る学びとなり、知識の定着を助けます 。
感情の理解と共感
親子時間を通じて、子どもは自分の感情を理解し、他者の感情にも共感する力を養います。
モンテッソーリ教育では、感情を表現することが重視されており、親が感情について話すことで、子どもはその重要性を学ぶことができます。
このプロセスは、他者を思いやる心を育む基盤となります 。
乳幼児期は親子時間が大切
保育園や幼稚園に預けている間、子どもたちは先生と信頼関係を築いていきます。
園では先生を安全基地として活動をしていくわけです。
活発に活動し、のびのびと育つでしょう。
ですが、園に全てを任せて、活動をしてしまってもいいのでしょうか?
卒園したら、その信頼関係は日常から遠のいていくものです。
安全基地は就学とともに、ある日、突然なくなるわけです。
その時に、十分な親子関係が無ければどうでしょう。
子どもたちは安心して過ごせますか?
園での信頼関係が全てになってしまっては、のちに、それを失った瞬間に、大きなしっぺ返しをくらうことになるでしょう。
これから長く子どもと過ごす大人は親だからこそ、乳幼児期には園だけに任せきりにするのではなく、しっかりとした親子関係を築く必要があります。
もし悩みができた時に、安心して何でも話せるくらい…頼ってもらえるくらい…そのくらい親密な信頼関係がなければなりません。
この信頼関係が築けていない場合、思春期のあたりで揉める可能性ありです。
では、親子時間は、長ければ良いのでしょうか?
それは違います。「量」より「質」が最も重要です。
たとえ忙しくて時間が短くても、親が子どもに寄り添い、深く向き合うことで信頼関係を築くことができます。
質の高い親子時間があることで、子どもは親との絆を感じ、安心感を持って新しいステージへと進む準備が整います。
おわりに
親が子どものそばにいる時間は、子どもの心の発達において非常に重要です。
母子分離を自然に進めるためには、親子の信頼関係がしっかりと築かれていることが不可欠です。
我が家はもともと幼稚園路線で子育ての計画を立てていましたが、娘が愛着形成に時間のかかるタイプだったので、結果的に親子時間をたくさん確保しておいて良かったと思っています。
娘が壁にぶち当たるたびに、じっくり向き合うことができました。
出口が見えないトンネルを彷徨っていた母子分離も、自然と出来そうな雰囲気に変わっていきました。
親子時間の過ごし方は大切です。
どんなメリットがあるかわかると、方向性が見えて、子育てに向かい安くなると思います。
ぜひ親子時間を大切にし、子どもが自信を持って新しい挑戦に踏み出せるよう、サポートしていきましょう。
安心感を築くためには、秩序というものが重要なポイントです。こちらの記事を参考にしてください。