赤ちゃんが突然パパを避けるようになる「パパ見知り」。
世間一般には「人見知りの一種」と片付けられがちですが、同じ家で暮らしている父親に対しても人見知りが起きるのはなぜなのでしょうか?
モンテッソーリ教育の視点を取り入れながら、パパ見知りの原因や対策について詳しく解説します。
我が家もパパ見知りとママ見知りがあったので、その体験談も含めてお話ししますね!
まな
知育講師 / 国際モンテ資格有
・幼児教室指導員
・おもちゃコンサルタント
・ベビー知育インストラクター
・キッズ知育インストラクター
・知育玩具アドバイザー
・育脳式積み木インストラクター
・食生活指導士
・乳幼児食指導士 etc.
子どもの発達について日々知識をアップデートしている1児の母。モンテッソーリ教育法研究中&保育士資格の勉強中。
パパ見知りっていつから始まるの?
パパ見知りが始まる時期は、赤ちゃんが 生後6~8か月頃 に多いと言われています。
この時期は、赤ちゃんが「愛着形成(アタッチメント)」を進めている時期です。
モンテッソーリ教育では、赤ちゃんが生後6~12か月頃に「秩序の敏感期」に入ると考えられており、時期が一致します。
こちらの記事にパパ見知り脱出のヒントになる部分もあるため、ぜひ、読んでみてください。
赤ちゃんは日々の生活の中で一貫性(いつもと同じであること)を求め、それによって、安心感を得ようとしています。
それが乳幼児期特有の性質です。
この敏感期において、日常的に接する時間が短いパパに対して違和感を抱くことがあるのです。(理由については後半部分で詳しく解説します)
パパ見知りには子どもの性質や家庭環境ごとにより個人差があるため、いつから始まるのか、あるいはパパ見知りせずに成長するのか様々です。
避けられるパパとしてはショックかもしれませんが、成長過程で起こる生理現象なので、落ち込まないでください。
パパ見知りっていつ終わるの?
パパ見知りの終わる時期は、赤ちゃんの成長や家庭環境によって異なりますが、 1歳半~3歳頃 には落ち着くことが多いです。
赤ちゃんの認知能力が発達することにより、自然とパパ見知り脱出が可能となります。
いつ終わるかは、完全に各家庭の環境と子どもの性質によるので個人差が大きいです。
パパ見知りが特定の時間(朝、昼、夜)だけなのはなぜ?
例えば、我が家ではこんなことがありました。
休日、朝ごはんの時間帯に食卓まで歩いて行き、食事をしようとすると、「ご飯食べる」「布団で寝る」を何回も繰り返し、食卓と布団を往復。
謎行動の果てに、大泣きしていました。
我が家では、朝起きた時、父は仕事に出ていて居ないのが秩序となっており、普段いないはずの時間帯に父がいるのが違和感だったみたいです。
父がいなくなると、何事もなかったかのように、食事をしていました。
普段は仲良く遊んでいるし、どちらかというとパパっ子じゃないのかと思うくらい懐いていましたが、朝ごはんの時間には父が食卓にいることは嫌がっていました。
これが秩序の敏感期の特徴そのものです。
朝だけ、昼だけ、夜だけパパ見知りになるという場合はまさに秩序の敏感期による結果です。
我が家の場合、こだわりの対象が変わりつつも、その都度、いつも通りの環境とは何かを考察し、いつも通りを再現することで乗り切りました。
どれも、数ヶ月以内で落ち着いていつの間にか消失しています。
パパ見知りの原因って何?
パパ見知りの原因は秩序の敏感期です。
子どもの発達過程で現れるもので、自然な生理現象です。
世間一般で言われる原因は、愛着形成が不十分だからなどと言われ、単純に自分の愛する努力が足りないから起こってる現象なのか?と自分を責めるパパも多いかもしれません。
でも、たとえ愛情いっぱいに接していたとしてもパパ見知りは誰でも起こりうるのです。
現に、我が家のパパは愛情たっぷりに娘を可愛がっておりましたが、容赦なくパパ見知りの毒牙にやられました!
もちろん、愛着形成は、パパ見知り脱出のためにも大事な要素の一つです。
でも、世の中では知られていない秩序の敏感期というものの存在の方が原因としては大きいと感じます。
秩序の敏感期の存在を知ってみると、子どもの謎行動、謎癇癪、イヤイヤ期のほとんどが面白いほど解明できるようになります。
ぜひ、今度から、パパ見知りが起こる時の状況を詳しく観察し、考察してみてください。
子どもたちの秩序の敏感期は、特定の時間帯というシチュエーションに限らず、特定の場所でいつもやるのに、特定の行為を特定の人がやるのに、特定の順序でやるのに…いつもと違う!などなどあらゆる秩序にこだわりを持ち、いつもと同じでなければ大泣きパニックするというものです。
秩序の敏感期の餌食になりやすいのは、日中働きに出ているパパ、ワンオペでママに任せっきりのパパなど、育児に関わる時間が限定している人が特定の時間帯だけというパターンで起こりやすいです。
パパ見知りの影に隠れて、実は秩序の敏感期が大きく関わっているかもしれません。
我が家はママ見知りもありました
○○する時はパパでないとダメパターンで、ママはヤダ!となってグズるものがありました。
世間一般の考えでいくと、育児専念で丸一日ずっと娘と一緒にいるのに?!ママの愛着不形成なんて考えられない状況ですよね(笑)
ここまで記事を読んでいただいた方には、ママ見知り現象の理由も理解してもらえると思います。
パパ見知りって夫婦仲が悪いとなるの?
夫婦仲が直接的にパパ見知りの原因になるわけではありませんが、赤ちゃんは家庭内の雰囲気に非常に敏感です。
モンテッソーリ教育の理念では、赤ちゃんは環境(=家庭)から学び、その影響を受けると考えられています。
夫婦間のコミュニケーションが乏しい、パパが家庭で孤立しているような状況が続くと、赤ちゃんがパパに対して親近感を抱きにくくなる可能性があります。
しかしながら、やはり、秩序の敏感期による影響が強いと考えられますので、夫婦仲が悪いと、育児がワンオペ化しやすいことが原因かと思います。
パパが育児に関わらない形が常態化してしまい、それが、子どもにとっての秩序に。
たまに育児に関わって来た時に、なんか違和感あって気持ち悪いぞ…パパ見知りが発動!というイメージでしょうか。
パパ見知りする子の対策とは?
日常的に一緒に過ごす時間を増やす
パパが赤ちゃんと触れ合う時間を増やしましょう。抱っこやおむつ替え、絵本の読み聞かせなど、小さなことから始めるのがおすすめです。
赤ちゃんにとって、パパが関わりを持つということがルーティンになる環境作りを心がけましょう。
無理に接触しようとしない
赤ちゃんが泣いたり嫌がったりする場合は、無理に抱っこしたり近づいたりせず、少し距離を置いて見守ることが重要です。
一度出来てしまった秩序を変えるのには多少時間がかかります。
泣いているのに無理やりに近づく必要はなく、赤ちゃんが安心できる環境作りを譲歩してあげましょう。
モンテッソーリ教育の理念を活用する
「敏感期」を意識し、赤ちゃんのペースに合わせた接し方を心がけましょう。また、環境を整えることで赤ちゃんの不安を軽減できます。
秩序の敏感期を意識して、何が、子どもにとっていつもと違う状況なのかを考える癖をつけてみてください。
そうしてみると、子どもがなぜ泣いてしまうのか理由がわかるようになります。
理由がわかれば、そのシチュエーションを避けるか、あるいは少しずつ毎日ルーティンを変えていきながら秩序の修正を図るか、秩序の敏感期が落ち着くまで待ってもいいか、などそれぞれ対策を考えることができます。
おわりに
この記事では、パパ見知りをモンテッソーリ教育の視点から徹底的に解説しました。
原因を理解し、適切に対応することで、赤ちゃんとの信頼関係をさらに深めることができます。
焦らずに赤ちゃんのペースに寄り添い、家族全員でこの時期を乗り越えていきましょう。