
子どもに数を教える方法って、どんな流れでやるのが正解なんだろう?



1、2、3…っていう数唱は皆さんよくされてますよね。お皿に、1個、2個とかの一対一対応ってやつも。



でも、それ以外って、イマイチ何をどう教えたらいいのか…数教育ってよく分からないです。



そんな知育迷子さんには、モンテッソーリ教育の数教育の仕組みが分かりやすくておすすめです!
モンテッソーリ教育における「数教育」は、子どもが数学的概念を自然に理解し、自分のペースで数や数え方に触れることを支援する方法です。
この教育の中心的な目標は、抽象的な存在である数学世界を具体的な体験を通じて学ばせ、子どもたちが自分自身で数学的な感覚を発見し、理解する力を育むことにあります。



小学校でもこの方法で教えればいいのにと思うほど、子供に親切な数の教え方です。
- 子どもの数や算数の学習に関心がある保護者
- 家庭での数教育の方法を探している方
- 幼児期の効果的な数教育アプローチを知りたい方
- 子どもの数学的思考を育てたいと考えている方
モンテッソーリ教育の数教育の特徴とは?
マリア・モンテッソーリは、子どもが生まれつき数学的な思考能力を持っていると考えました。
モンテッソーリ教育では、幼児期(0歳から6歳)における「吸収する心」や「敏感期」といった発達段階を重視し、特に数に対する興味や理解が生まれる時期に具体物を使う方法での数教育を提供します。







具体物を用いる、これが乳幼児期の教育の特徴です。数教育以外すべてに共通する特徴なので、ぜひ、ぜひ意識しまくってください。
子どもたちは身の周りにある環境を通じて、数やパターン、順序を学ぶことができると信じていたためです。



児童期以降のモンテッソーリ教育(6歳~)については、子どもの想像力が発達してくるため、具体物を使わない形での活動に移行していくのが特徴です。
数教育の具体的なアプローチ
モンテッソーリ教育では、数の学び方を段階的に進めていきます。



これを知っていれば、子どもへの数の教え方の全貌が見えちゃいます。
具体物を用いた数の理解
モンテッソーリ教育の数教育では、最初に子どもたちが「具体物」を通じて数に触れることから始めます。
これは、モンテッソーリ理論で考える発達段階(乳幼児期)の特性に応じて考えられた方法です。



人間の発達の段階は0~24歳までで4段階あるものとして考えられています。


乳幼児期の子どもたちは、頭の中だけで思考処理をするのではまだ難しく、実際に目の前に存在するものを用いて、思考する方が簡単なのです。
これは想像力がまだ未発達であるためです。
想像力が発達し始めるのは、乳幼児期の後半からですが、それでも十分に機能はしません。
本格的に発揮され始めるのは児童期以降と考えられています。
ちなみに、数教育での具体物とは、例えば「ビーズ」や「数字の棒」など、実際に手で触れることができる物体です。
これにより、数が抽象的な概念ではなく、具体的に理解できるものとして捉えられます。





0という概念すらも具体物を通じた体験の中から学ぶことができるのがモンテッソーリ教具の素晴らしさです。
偶数の概念を教えたり、加減乗除のしくみなど、とにかく数の仕組みを教具を使って操作する中で学び取っていきます。



乳幼児期の子どもにとっては、実物を使った目に見える形での数理解が一番効率的方法です。
数量と数字の関係の理解
数教育の初期段階では、数字と数量の対応を理解する活動が中心です。
子どもは数というものは何を示しているのかまだ正確にイメージできていません。



一種類のもので数を理解できたとしても色や形が変わると途端に理解できないのです。
ビーズだと数えられたのに、数える対象が、棒状の形のものになったり、りんごの形になったりすると戸惑ってしまいます。
物の形や種類が違っても数字の規則性は一定であるということに、子ども自身が気づく必要があります。



そのため、さまざまな形や種類の数を経験させ、そのどれもが同じ数字を使うことに気づくよう、教具を用意します。
子どもたちは具体的な物体を通じて物の数量と数字の対応性を強化します。






10進法の理解
数教育の次の段階では、10進法の理解が重要になります。
数量と数字の理解(主に1~10の理解)が出来上がると、次は、大きい数字の表現について学びます。



単位、十、百、千といった数の仕組みを視覚的に学びます。
例えば、1000個のビーズを1つの塔に積み重ねることで、1000という数字がどれほど大きいかを物理的に実感することができます。
この段階では、子どもたちが数の体系的な仕組みを感覚的に理解することを助けます。




プリント学習で暗記型の算数を幼児期に仕込んでいると、記憶力が良いので子どもたちは暗記で乗り切ってしまいます。



が、残念ながら、その方法では、のちのち計算が複雑になっていく上級算数に対応できなくなっていきます。
算数が苦手になる子供の多くはこのパターンです。
九九のように数唱で算数を暗記してしまっているパターンの子は、潜在的に算数嫌いになる要素を持っている子です。
感覚から数を理解できている子は、身につくのは時間がかかっていて遅かったかもしれませんが、本質的な数の概念の理解が出来上がっているので、上級算数教育に立ち向かえる基礎が整っています。
計算の学習
具体物を用いた学習を経た後、次に行うのは計算です。
子どもたちは、加減乗除の基本的な計算方法を具体物を使って学びます。
モンテッソーリでは、例えば「ビーズ算盤」や「金ビーズ」などを用いて、手で操作しながら計算のプロセスを体験的に学びます。
この時点で、子どもは計算が単なる数字の操作ではなく、数量の変化として理解できるようになります。




抽象化への移行
子どもが数の概念をしっかりと理解した段階で、具体物から抽象的な数字の世界に移行します。
この移行は、具体的な体験を積み重ねた後に自然に行われ、子どもたちは数式を紙の上で扱えるようになります。



この時点でようやくプリント学習で理解できる力が整うというイメージです。
一般的な知育ではプリント学習がたくさん用いられていますが、子どもたちには少し苦行です。
プリントに描かれた絵では、実際に動かして移動させることは出来ません。
つまり、頭の中で想像して数量の変化をイメージできなければならないのです。



想像力が育ってないと難しい方法ですね。
乳幼児期の子どもは、実際に手で動かせるものを動かして、数の変化を体感することで数の理解を深めることが出来ます。
モンテッソーリの方法では、焦らずに子どもが十分に準備ができるまで具体物を使い続け、個々のペースに合わせた学びが進められます。
おわりに
モンテッソーリ教育における数教育は、子どもの自然な学びのプロセスを大切にしながら、具体的な体験を通じて数や計算の概念を理解させるものです。
これにより、子どもたちは数理的な思考を楽しみながら学び、未来の学習にも役立つ強固な基盤を築くことができます。
モンテッソーリの数教育は、数を単なる知識としてではなく、生活の一部として体験させることで、数学への親しみを深めるアプローチとなっています。



